討議資料

The Voice of Russia 2013年7月25日

分離独立の気運を高める沖縄

沖縄が再びざわめき立っている。沖縄で活動中の政党「かりゆしクラブ」(旧琉球独立党)が毎度のごとく、かつて琉球諸島は独立国家であり、1879年、大日本帝国に強制的に併合されたのだ、と主張しているのだ。この動かしがたい事実を分離主義政党が叫ぶことの中には、いつまでたっても米軍基地の移転問題を解決できない本土政府への、県民の大いなる不満を、いわば代弁する、という側面がある。これまで県民の怒りは主に米国に向かっていた。しかし基地移転を公約にしながら永年問題を先送りにしてきた日本政府についに業を煮やして、沖縄県民は本土政府をもやり玉に上げだした。「独立はこれまで理念に過ぎなかったが、今や現実味を帯びてきている」と前沖縄県知事太田昌秀氏は語っている(NYタイムズ紙より)。
沖縄における分離主義の気運について、国民新党元代表、元郵政民営化担当相の自見庄三郎氏は次のように述べている。「沖縄には独立・自治を求める運動の長い歴史がある。沖縄がついに独立国家となる意志を表明するという可能性も存在する」。自見氏はさらに、米軍基地問題における日本政府の今後の出方次第では、パルチザン戦が勃発し、東京でテロが発生する危険性もある、と警鐘を鳴らしている。この発言がなされる直前、安倍晋三首相は、日米軍事同盟の強化という施政方針を打ち出した。首相はまた、普天間米空軍基地を解体せず、むしろ沿岸の居住地区に移転するという意向をも示している。

4月、安倍首相とジョン・ルース駐日米国大使の会談で、「米空軍基地の移転と軍用地の沖縄への返還は2022年に開始される」との計画案が承認された。ただし、移転の時期については3年ごとに見直しがなされる、との留保がついた。これに県民は、堪忍袋の緒を切らしたのだ。これは一体何なのか?真面目に取るに足りないものなのか、それとも深刻な意思決定なのか?ロシア科学アカデミー極東研究所主任学術研究員アナトーリイ・クリメンコ氏の意見は次のようなものだ。

「この問題は十年以上の長きにわたり泡立ち、かつ米日両国民の『突き上げ』にあっている。政府は変わる、基地移転の公約は残る、しかし問題そのものは依然、どうにも解決されない。気が付けば今、中国の台頭を背景に、米国にとって北東アジアは極めて重要な地域になり、基地の問題は極めて不透明になりつつある。沖縄県民自身にとって、また一部国民にとっては、駐留米軍などは無用の長物である。彼らがそこにいる限り、問題は山積していく。騒音、ケンカ、強姦、軍機墜落、乱暴狼藉。彼らの不品行に、順法精神の厚い日本市民はただ呆れるばかりである」

アナトーリイ・クリメンコ氏は、沖縄が日本から分離するというシナリオには、強い疑念を持っている。氏の見るところでは、分離主義的スローガンの真意は、日本政府や日本市民の目を覚まし、彼らの抱える問題に注意を向けさせることにある。その目的は、すでに果されたと言っていい。しかし、米軍基地の問題が根本的に解消されない限り、やがて分離主義的風潮は大規模な社会運動に発展し、もはや誰にも止め得ないものにまで成長しかねない。


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