はじめに(3ページ)より引用
 一九九六(平成八)年九月四日、米兵三人による少女暴行事件に対する日本政府の対米弱腰外交に怒った県民は「もはや独立以外に、沖縄の問題を解決する道はない」と意識し始めた。その県民世論をバックにしたのが衆議院予算委員会(一九九七年二月十三日)での独立論議である。
 一九九六(平成八)年九月九日、米軍基地の存否を問う初の県民投票があり、その会場で沖縄独立についての出口調査が行われた。それによると、「経済的な自立さえできれば、独立がよい」との回答が七三%を占めている。しかも若者たちに独立志向が強い。その後も独立について雑誌の特集、討論会、講演会などが開かれ、沖縄住民の独立への願望は衰えるどころか、かえって勢いを増している。それは戦後五十五年、復帰後三十年の長い歴史の中で、主体性を持った沖縄人として生きようとする欲求の表れでもある。また、注目すべきことは、一九八〇年代になると経済的な自立を求める中で「日本離脱」の議論が盛んになったことである。




目次

はじめに

I 独立で行動した人たち

 アメリカ政府に直訴した大浜孫良

 国政参加選挙を最後のチャンスと捉えた崎間敏勝

 初の主席公選で民意を問うた野底武彦

 戦前の国士から独立に変身した新垣弓太郎

 新聞広告で立候補者を募集した大宜味朝徳

 台湾で琉球独立運動をした喜友名嗣正

人々が出会う場としての独立国――喜納昌吉

II 琉球独立への底流

 琉球王国の誕生

 薩摩の琉球王国侵入

 琉球藩と沖縄県

 琉球王国に執着

 南の守り沖縄

 歓迎された敗戦

 独立への動き

 独立主張の政党

 四政党の帰属論争

 帰属問題で緊急動議

 沖縄に関する国際的な動き

 国内の沖縄帰属論議

 祖国復帰運動と独立

 仲宗根源和の独立論

 天皇メッセージで分離

 対日講和条約締結前の動き

 保革ともに沖縄差別

 沖縄の「明治維新」

 独立へのうねり

 独立は出来ないのか

 ケベックにみる独立運動

 独立願望と経済的な自立

 今も続く独立への願望

III 資料

 沖縄の帰属問題

 琉球独立論に対して復帰論者の反対論

おわりに

参考資料


比嘉康文 著 『沖縄独立』の系譜 琉球国を夢見た6人
定価1,780円(本体1,695円+税) 琉球新報社  2004年6月18日発行

週刊現代

琉球独立党のトップへ行く