討議資料
沖縄タイムス 2010年9月17日 論壇

比嘉康文

基地押し付け不可能に  平和憲法守り日米交渉を 比嘉康文

 「沖縄にとっては、菅氏よりも小沢氏だ」。民主党代表選で、多くの県民はそう望んだことだろう。それは、米軍普天間基地代替問題で、米国との再交渉に期待していたからだ。
 アメリカ議会で「沖縄での海兵隊不要論」が出ているにもかかわらず、15日の本紙には「菅首相が『普天間』主導」という見出しで、名護市辺野古周辺とする日米合意を進めていくことが報じられている。
 しかし、辺野古移設は無理である。それは名護市議会議院選挙の結果をみても明らかだ。北部振興費というアメにつられて辺野古への基地受け入れを容認してきた市民も、この十年余の失業・倒産・荒蕪地の増加など北部の衰退ぶりを目の当たりにすると、当然のことだが基地を受け入れることはできない。
 米軍基地が自立経済への足かせとなっていることを県民は知っている。毎年、値上がりしている軍用地料だが、その約40%は県外の地主のものだという話もある。つまり、基地の危険だけを県民に押し付けている格好だ。
 また、地料が高い地域では蚕業が興りにくいのが経済学の常識だ。
 復帰時、日本弁護士連合会が指摘した「基地は諸悪の根源」という状況は今も続いている。
 今年の4月25日の県民大会、県議会は保革を問わず「基地撤去」を表明し、その決議書を政府に提出した。一つの問題で保革が一致することは全国でもまれなことだ。それだけでも民意は重い。それを管首相は最大限に尊重すべきである。
 普天間の移設先が辺野古でなければならない理由は何もない。本社発行の『砂上の同盟』によると、日米の専門家が参加したハワイでのシンポジウム「ポスト9・11の日米関係と沖縄基地問題」では、地政学上「沖縄がよい」とした日本側に対して、海兵隊司令官は「沖縄でなくても構わない」と答えている。管首相をはじめ北沢俊美防衛大臣、岡田克也外務大臣、前原誠司沖縄担当大臣らはご多忙でしょうから本書の22ページから26ページだけはぜひ読んでいただきたい。
 基地を南の島に押し込み、ヤマトは平和だけを享受するという構図は今後、絶対に描くことができないだろう。
 自分たちが持っている一番大事なもの、つまり日本の場合には平和憲法の精神にたって日米交渉を進めていくことが真のパートナーシップを築いていくことができることを強調したい。
(宜野湾市、68歳)



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