琉球独立論参考資料

元のページ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/185426



英EU離脱で再燃する「沖縄独立」 現実的なのか識者に聞く

日刊ゲンダイDIGITAL(ネット) 2016年7月10日

 英国のEU離脱が決定し、世界が揺れている。2014年に住民投票を実施したスコットランドでは、再び独立の機運が盛り上がっているし、スペインのカタルーニャ地方も独立を巡り、ガタガタしている。そんな独立運動が沖縄でも盛り上がり始めた。「沖縄タイムス」(2016年3月15日付)によると、沖縄国際大の友知政樹教授が実施した現役大学生への意識調査で、「独立を考えたことがありますか?」に対し、30%が「ある」と回答。

「政治・経済・安全体制が成り立つならば独立をどう思いますか?」について「賛成」と答えた学生は38%で、「反対」の28%、「わからない」の34%を上回った。

 実際、沖縄でも独立は現実的なのか。「誰がこの国を動かしているのか」(詩想社新書)の共著者で東アジア共同体研究所理事長も務める元首相の鳩山由紀夫氏はこう言う。

「最近も、軍属がむごい殺人を犯しました。95年の少女暴行事件以上の残忍な殺人事件が起きたわけです。この間、基地の縮小などと言いながら何もできていない。県民は、“日米地位協定を変えなきゃいけない”“辺野古の基地は県外に”というだけじゃなく、“海兵隊は論外だ”と考えています。それに対して現政権は何も動かない。結局、自分たちは捨てられているのではないか、という意識を持っています。先日、殺人現場に花を手向けに行った時も、雰囲気が変わっていた。地元では、独立は酒飲み話ではなく、真剣な議論になっているように感じます」

 共著者のひとり、鹿児島大教授・木村朗氏も、「先月19日の沖縄県民大会で、シールズ琉球の元山仁士郎さんの『安倍さんの言う“国民”の中に沖縄の人は入っていますか』との発言に、これまでとの“空気の違い”を感じた」と言う。

「2012年以降のオスプレイ強行配備や自民党による普天間基地の辺野古案への方針転換、翁長知事が要求した日米地位協定改定とオバマ大統領との面会が政府に拒否されたことによって、もはや県民は爆発寸前の状態です。英国のEU離脱が再びスコットランド独立に波及し、独立の選択を含む“沖縄の自己決定権”へ影響を与えることに注目しています。調査にあるように若い人ほど独立意識が強いからです」

 同じく、共著者の京都精華大専任講師の白井聡氏はこう続ける。

「翁長知事が当選してから現在までの期間は、沖縄の人たちにとって、日本の民主主義への期待が消えていった時間だった、と思っています。首長を選んだ時点で意思を示したのに、政府は何のリアクションも見せなかった。辺野古に関して、最終的に国が勝つような展開になれば、独立にいくしかないという結論になってくるだろうと思います」

 安倍政権は改憲で自衛隊を軍隊に格上げしようとしている。最初に戦火を交える相手が同じ日本人にならないことを祈るばかりである。

■沖縄は日本の「植民地」

 現行憲法では、日本からの分離独立に関する規定はない。「琉球独立宣言」の著者で、龍谷大教授の松島泰勝氏は「日本政府は憲法に、独立を認める文言はないと主張しますが、禁止する文言もありません」と言う。

 そもそも琉球王国は、1879年に日本に併合されたもので、戦後米国に占領されたあと、1972年に復帰した。その際も住民投票という正式手続きはなかった。そのため、国連には「植民地」と位置付けられている。琉球人は独自の民族として認められているのだ。

「琉球は、独立する権利(自己決定権)を国際法で保障されています。独立に必要なのは住民の意思と国際社会の承認だけ。3年前には『琉球民族独立総合研究学会』が設立され、スコットランドのように住民投票方式の独立手続きを進める動きもあります」



写真:県民は怒っている(C)日刊ゲンダイ

琉球独立運動資料館のトップへ行く