琉球独立論資料

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<琉球新報社説> 2016年10月29日 06:01
土人発言抗議決議 沖縄差別の政策やめよ 国民と県民の分断強める
「琉球独立」の声すら高まりつつある。

琉球新報社説、2016年10月29日

 県議会はヘリパッド建設現場での機動隊員による「土人」「シナ人」発言について「県民の誇りと尊厳を踏みにじる」とする抗議決議、意見書を可決した。政府、警察は重く受け止めるべきだ。

 ただ決議の文言調整で当初の「機動隊撤収」は削除され「警備体制の改善を求める」との訴えにとどまった。自民会派は「市民側にも暴言があった」との意見書案で対抗し、与党・中立会派の決議案を賛成多数で可決した。
 県議会の抗議を全会一致で示せなかったのは残念だ。県民が共有する怒りと抗議が分断され、国民世論への訴えが弱まった形だ。

偏見を再生産

 県議会の会派が分断され、決議が全会一致とならなかったことを政府は内心、喜んでいることだろう。しかしそれは大きな間違いだ。今回の差別発言問題は県議会、県民の間だけでなく、国民と県民にも大きな分断と亀裂を生じさせたからだ。
 機動隊員の「土人」発言に県民は激怒した。だが「シナ人」発言に戸惑った県民も多かったのではないか。20代の機動隊員が、死語に近い「土人・シナ人」の言葉を発したことも不思議だった。
 ネット上で国策の基地建設に反対する県民が「土人・シナ人」呼ばわりされ、県民を異端視し偏見を助長する言説が流布されていることが背景にある。
 政府の沖縄への基地集中政策と、これに抗(あらが)う県民の対立が県民に対する偏見を助長し、若い世代の差別感を再生産しているのだ。
 公人たる松井一郎大阪府知事の機動隊員を擁護する発言が、さらに差別と偏見の再生産を強めた。
 基地建設を巡る政府と沖縄の対立だけでなく、「日本」対「沖縄」の対立構図が深まりつつあることを危惧する。
 日本復帰前の米軍占領から復帰後の日本政府に引き続く沖縄統治政策は、県民を分断する歴史でもあった。日本復帰運動に対しては「イモはだし論」で反対する主張があった。復帰後も基地問題を中心に保革対立の政治は続いた。
 県民世論が反対する辺野古新基地建設を巡り政府と県が対立を深める中で、政府の「基地と振興のリンク」が公然化した。沖縄担当相の「選挙と振興のリンク」など、沖縄に対する「アメとムチ」の政策が、県民分断の背景にある。
 政治学の用語に「分断統治政策」がある。「支配される側を分断し、統治者への反発を抑える」統治法で、植民地政策の常套(じょうとう)手法だ。沖縄の歴史は日米両政府による分断統治の歴史と言っていい。

見えぬ米軍の姿

 辺野古新基地もヘリパッドも米軍基地建設なのに、そこに米軍の姿は見えない。「沖縄の負担軽減」を名目に、日本政府が経費を負担し、建設を進めているからだ。
 米軍は背後に隠れ、政府と県民の対立、現場での機動隊と県民の対立が激化しているのである。
 2004年の辺野古沖調査で、大型台船の前に反対運動の市民が飛び込み台船を止めた。命を賭しても工事を止めるという悲壮な決意をうかがわせた。金武町伊芸区の米軍都市型戦闘訓練施設の建設反対運動では、基地内で実力阻止すべきだとの声を聞いた。 
 ヘリパッド建設では米軍北部訓練場内の抗議行動で反対運動のリーダーが逮捕された。本来、平和的で非暴力の基地反対運動が、言論の訴えが顧みられない状況下で市民を物理的行動に駆り立てているのである。現場の対立は先鋭化し、臨界点を迎えつつある。
 差別発言を契機に、「自治権確立」、さらに「琉球独立」の声すら高まりつつあるように思われる。独立論の高まりは「日本」対「沖縄」の対立をさらに深めることになるだろう。
 日米両政府は沖縄への差別政策をやめるべきだ。沖縄に基地を集中する「構造的差別」が続く限り、県民の分断、「日本」対「沖縄」の亀裂は埋まらない。
  
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