討議資料、論文基礎資料

琉球新報2016年7月1日

全身骨格 発掘完了へ 白保竿根田原洞穴、東アジア最古

 沖縄県立埋蔵文化財センターは石垣市の白保竿根田原(さおねたばる)洞穴遺跡で6月30日、同遺跡で最も古い2万1千年前の全身骨格の最後の発掘作業を関係者に公開した。旧石器時代の全身骨格発見は八重瀬町の港川人(約1万8千年前)以来で、東アジアで最古となる。
2010年度以降の調査で同遺跡からは十数体分と見られる約千点の人骨が発見されており、この時代の遺跡としてアジアで最大規模。説明会は1日も行われ、2日には一般向け説明会が行われる。

 同遺跡は新石垣空港の敷地内にあり、空港建設に伴う調査で発見された。10年度の発掘調査の結果、現地保存が決まり、12年度から5カ年計画で調査が進められてきた。最古の全身骨格は、昨年度に一部を発掘しており、今回は残った脊椎部分などを2日までに発掘して調査を完了する。保存・活用については来年度から検討する。

 同遺跡は2万年前ごろの人骨が大量に出土しているが、人工遺物や遺構が見つかっていない。人骨が数体分ずつまとまった場所が4カ所あることから、風葬墓だったと考える研究者もいる。この時代に生活の場とは別に墓を設けていたとすれば世界的な発見で、年度末に出される報告書でどう結論付けるか注目される。 (米倉外昭) 英文へ→Discovery of oldest East Asian full-body human skeleton at Shiraho Saonetabaru Cave Ruins

全身骨格発掘完了へ

「人類の軌跡、解明も」白保竿根田原遺跡 関係者高まる期待
風葬墓の可能性
人類拡散 必ず進展

人類の軌跡、解明も

琉球独立運動資料館のトップへ行く