討議資料

琉球新報2014年12月8日 論壇

沖縄を見下す識者の無知 比嘉康文

 「振興費は要らないから、基地を持っていけ」。多くの沖縄の人たちの思いだろう。しかし、本土の国会議員や官僚、世の評論家や識者と言われる者たちは「日米安全保障を説き、米軍基地の重要性」を強調するが、自らの地で米軍基地を引き受けることは決してやらない。全く厚顔無恥の者たちだ。それは日ごろから思っていたことだが、本紙6日の「佐藤優のウチナー評論」を読み、小生は勇気づけられた。
 基地や原発などの迷惑施設は、なぜ特定の地域に集中配置されるのか。その見返りとして、カネさえ出しておけば何とかなる。「最後は金目でしょ」。為政者たちは、なぜそのように思うのか。これは同志社大学教授の浜矩子氏が毎日新聞(9月20日)の「危機の真相」で指摘していることだ。とにかく、カネさえ出せば解決するという思い上がりがある。神経を逆なでされるばかりだ。それでは高額な国費を費やす国会議員など要らない。地域と交渉して金を配分する者だけでよかろう。
 11月29日、テレビ愛知で放映された「激論!コロシアム」という番組を観る機会があった。沖縄から元県知事の大田昌秀氏と本紙の元副社長の三木健氏、本土側は元米国沖縄総領事ケビン・メイア氏、元防衛大臣の森本敏氏、軍事ジャーナリスト井上和彦氏、中部大学教授の細川昌彦氏らが出席していた。井上氏は「軍事と外交は国の専権事項で、知事ごときが言うものではない」という趣旨の発言。しかも、声を荒げて。
 沖縄に米軍基地がないと、尖閣諸島が中国から攻められるというが、明治政府の井上馨外務卿は中国内での権益を得るため尖閣諸島を含む先島を中国に売り渡そうとした。それを食い止めたのは琉球の幸地朝常や林世功たちだった。その歴史的な事実さえ知らない。琉球大学名誉教授の西里喜行氏の「日中関係から考える『尖閣問題』の歴史的前提」(本紙(2012年11月29日)を何回も精読してほしいものだ。
 小生は中日新聞に「普天間基地は辺野古へ移設せず、そのままでよい」と投書した。そして日本側の識者たちは「米軍基地とその歴史について無知」と書いた。沖縄と沖縄人を見下す言説に我慢ができなかった。
 この番組はユーチューブで検索できるという。友人が言うとおり、本土側識者の米軍基地・尖閣問題・独立運動などについての無知ぶりが堪能できる番組だ。多くの方に観てほしい。大田氏と三木氏は怒りを抑えて、本土側によく反論していた。さぞ苦しかったことでしょう。(宜野湾市、無職)


動画へ飛ぶ、11月29日、テレビ愛知で放映された「激論!コロシアム」

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 かりゆしクラブからお願い
  この比嘉康文さんの意見に反論なさりたい方は、本名、電話、住所をぜひ書かれて下さい。比嘉さんは選挙のチラシでも自分が作ったものには氏名、電話番号、住所を明記される方です。本人が確認できない意見は幽霊のことばであり、信用できないという考えの方です。以上

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