国頭太福 1/3

 琉 球 共 和 国

機関誌編集委員長   
国 頭 太 福 



 1つの妖語が東支那海をさまよっている。(注1)

    琉 球 共 和 国 !

 耳慣れないこの5つの文字を叫ぶ男が居る。 野底土南(NUKA DUNAN)
我が梁山泊=蝶恋花舎の頭領、天速星、神行大保、戴宗こと竹中労は、彼を称してパブステマ(洗礼者)のヨハネと呼ぶ。
 ヨルダン河ならぬ、琉球列島、海河川の水をもて、悪魔の子たれと洗礼を施すひとつの鬼火!
 それ
 よく燎原の火となりえるか?
(注1)
ドイツ人、カール・マルクスがぼくの頭脳にのり移ってから久しいが、近頃そのミスターM氏に挑戦して支配の構造をくつがえそうと頑張っている。太え不逞の徒(平岡正明)が2人居る。その2人には申し訳ないが、暫くM氏の尻尾につかまらせてもらい、彼及び彼の兄弟同じくドイツ人、フリードリヒ、エンゲルスの「共産党宣言」からもじって最初の行を記しつつ書き始めてみた。
 ヨーロッパを東支那海に置き替えたのは、文明的産業主義者、就中先進国革命論者に軽くパンチを見舞ったことはもとより、それにもまして日本帝国主義を撃つ要が多分に此処へあるからに他ならない。すなわち、そのことをぼくのおやじ(組長なのだ)太田竜は「状況」(71年10月号、「琉球共和国」独立の檄)論文で[日本は「海洋・島しょ国家」であり、日本帝国を死滅させるためには、革命軍は海を制しなければならない。(中略)琉球共和国は、日本帝国を滅す15年革命戦争の「北の尖端」である、と。すなわち南方から東京政府を包囲する戦線の北端である、と。]いい又おじき竹中労も「流動」(72年5月号、野底土南、琉球独立のヨハネ)論文で、統一赤軍の革命戦略の誤謬をついたのち[“あさま山荘”ではなく沖縄で、山岳アジトではなく四通八達の「水滸」に拠って、琉球弧の島々に潜行浮上するゲリラ部隊を創出して、諸君は戦闘すべきだったのだ。]と言っている。我々は海洋が如何に重要なポイントであるかという事に関して、近くは川藤展久・シージャック事件での対警察大活劇をあげることができるし(この件についての詳細は平岡正明著「あらゆる犯罪は革命的である」現代評論社刊を見よ!)また遠くにおいては今世紀初頭の日露戦役における、ツアールロシア・浦塩艦隊(旅順艦隊とあわせて大平洋第一艦隊と呼ぶ、因に同第二艦隊がいわゆるバルチック艦隊)の活躍をしっている。すなわちウラジオストック港を出撃した浦塩艦隊は“天皇の海”日本海周辺はいうにおよばず、津軽海峡を通って大平洋へ抜け東京湾の鼻先で勇躍、御前崎沖まで南下、日本帝国海軍・第二艦隊(上村彦之永司令長官)の必至の策敵を尻目にさんざん日本軍の兵、武器輸送

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