太田竜 4/7

     (六)
 この情報は、アイヌ独立を志す同胞たちに、しっかりと伝えられねばならぬ。
 アイヌ独立運動の志士(私にとって未知ではあるが、必ず、ごく近い将来、天は私をこの未知の友人と引き合わせるであろうと信ずる)をオースオラリアに送り、その手で、オーストラリア原住民と固く握手してもらわねばならぬ。
 琉球独立党は、そこに、盟約すべき同志を発見すべきである。このことを、私は未知の友人、野底土南琉球独立党中央委員長にむかって語りたい。

     (七)
 世界ソビエト社会主義共和国の「同胞」と「人民」の関係。(このテーマについて、「黒の手帳」5月号の私の小論を参照のこと。)この問題を、いまこそ、真正面から提出すべきである。なぜなら、それに解答を与えること無しに、人は、決してこの「共和国」の軍隊、世界赤軍の建設に着手することはできないからである。
 私は、昨年6月、「21世紀への大長征」(「映画批評」71年6月号)を独立のパンフレットとして発行したとき、そのあとがきで、「世界ソビエト社会主義共和国」の「同胞」、「人民」、ゲバリスタ、「友人」、「敵」について、基本的な規定を与えておいた。

 「共和国」の「同胞」と「人民」の関係は、前衛党と大衆の関係、ゲリラと人民の大海の関係などに、決してたとえることはできない。およそ、それは、文明的革命理論のいかなる範疇の枠にも入り切らないのである。
 オーストラリア原住民30万の同胞。あなたたちは、文句なしに、「世界ソビエト社会主義共和国」の自然発生的な同胞である。
 アメリカ合衆国60万のインディアン原住民同胞。あなたたちも、同じくわが「共和国」の同胞である。
 わが同胞たちを、「死にたえつつある文明の敗残者」と見なすすべての人間。これがわが「共和国」の敵である。
 「共和国」に忠誠をつくすことをみずからの発意において誓約するもの。これが「共和国人民」である。
 味方のような顔つきをしているが、実は敵である者たち。
 その1つの見本を、私は、石田郁夫に見出す。

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