大城正男 2/19

 しからば何故に!
 それを説明する前に、一つの謎々遊びをしよう。
 来る5月15日に決ってしまった「沖縄返還」が問題だ。それはいろいろな屈折を経て、風雪に耐え(間違い、沖縄では雪は降りません。)随分ボロボロになり、それ相当なサビもつき、いくらかさまになり、世をあげて評論家と称する者達の飯のタネにもなって、一端の理論大系にも支えられるような高次の問題とはなったが、実際にはどうだったのか。沖縄においては、時期尚早とか、内部における若干のニュアンスの違いはあっても、すべての前提であり、神聖にて不可侵なりの観を呈しているこのデッチあげられた神話の裏を見透す為には、この際、よけいなものは一切取り払い、インテリ好みの妙にへ理屈をこね廻すような真似はよしにして、出来る限りにおいて単純、簡潔にしてストレートに進んで行こう。
 さて、では「沖縄返還」運動の最初は何であったのか、島ぐるみの土地闘争であり、対日平和条約なるものの調印によって、第二次大戦遂行の責任追求の緩和に対する見返りとして(なんせ、この時のA級戦犯が後には首相を任されている程だ。)日帝により一方的に売り渡された沖縄ではあったが、米軍に対するこの運動の発生は自然ではあった。ところがこの素朴にして正当なるレジスタンス運動が、祖国復帰運動に変えられたのは何故か、いやさ、変えたのは誰か、屋良朝苗を筆頭とする旧軍国日本の教育に毒された沖縄師範学校卒のタヌキどもである。教育とは恐ろしいもので、彼らの体内の奥深くに旧軍国日本は、梅毒菌の如く深く静かに潜伏し、やがて、開花するまでしんぼう強く待ち続けた訳で、これら運動の一貫した「反米」は、日帝にとってはまことに好都合であった。沖縄玉砕の尻ぬぐいもせず、まんまとその鉾先を米軍に向けさせた訳だから、本来なら、沖縄玉砕で蒙った戦争損害賠償を日帝本国に対して請求するべきを、あの屋良どもカイライ連中がくしくも、おお祖国、おお祖国なんぞと馬鹿みたいに叫びおってからに、これは旧軍国日本の教育に毒されたロボットどもを使っての日帝の裏面工作に他ならない。
 疑う者は試みに屋良主席に「韓国」ないしは「教職員会」と言わせてみるといい、間違いなく「クワンコク」「キョウショクインクワイ」と発音するだろう。僕はそのことに1ドル賭けてもよい。
 ついでに、最近のジャガイモをふかしたような屋良の顔が苦悩する顔の代表みたいに言われているが、あれば僕に言わせると一種のエクスタシーに達した顔で、

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