野底土南 16/23

何処にあろうか。
 いわずとしれた、内なる敵、買弁権力と邪蛮権力への併合であることはいうまでない。
オ 自治とは何か
 英語のセルフ・ガーバニングの直訳であるが、欧米、殊に国際法上は独立と同義とされる。ところが、邪蛮でいう自治とは外部権力に隷属する下僕という位置を意味する。字面からみると、「自ら治める」と、いかにも、きこえはいいが、内実は下僕だ。すでに分析したように、県は政治的にも、経済的にも文化的にも邪蛮政府の植民地すなわち下僕にすぎない。地方自治とは地方下僕と同義である。
 憶えば、一昨年来、琉大インチキ教員どもが「特別自治州」を唱えたり、ナマハンカな新聞が「反国家」や「拒絶の論理」とかいう邪蛮輸入品をうけ売りしたが、オノレの買弁性をおおいかくすためのマヤカシにすぎなかった。
 これらに共通する点は独立をいみ嫌い、おそれる精神病である。邪蛮化教育の罪業だ!
カ 独立とは何か
 完全なる主権国家琉球共和国をうち建てることである。琉球人民が琉球共和国政府をとおして自己の政治、経済、文化の地位を自由に決定することである。
 この主権という地位をぬきにして、いかなる経済、いかなる文化がありえようか。
 国の本質と機能に関する深い理解と世界史の進展に対する洞察なくしては、政治、経済、文化について語る資格がないのである。
概念の目的性と相対性
 以上の説明からわかるように、ある言辞がもつ概念が、わが琉球民族のもつ歴史的使命とのかかわりで、明確な目的性をもたない場合、その概念は極めて有害無益となる。
 外部権力の権威に劣等感をもつわが琉球のインチキ知識人は、無批判に外国の輸入品のうけ売りを業とする。「歴史の創造」とか「土着の思想」とか、空虚な言辞を並びたてるが、実際は、借りものだから、内容がない。
 ある者のごときは、「うらみ、つらみ」「なきごと」、最近では「あきらめ」「ぜつぼう」「とうひ」を書きたてることが、さも、文化のように考えこんで恥ぢない。
 要は、自分の頭と足で、真剣に思索し、実践し、批判し、知行一致の気風を

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