野底土南 6/23

 誰かいう、今日の政党は犯罪団体なりと。人民を売り渡し、経済を破綻させ、生活を破壊してもなお、人民の上に君臨して恥じないタキナムンヌチャー! そしてこの暴挙に対して、いんにん自重して、憤怒を行動にあらわさない人民大衆! だが、そのエネルギーはうつうつと圧力を増してやがて爆発するだろう。憶えば、1879年の処分は大局において迷血政府の一方的処分即ち併合だったが、1972年の処分は人民の意志を省りみず、沖縄犬民と自称する親ヤマトウ買弁グループの策略と加担によって実行された。
 この歴史的事実は永遠に消え失せないだろう。そして、公正な史家は、こう付け加えるだろう。
 「革新」と称する公務員が主動して、みすぼらしい邪蛮政府の下僕という地位とひきかえに、現ナマを求めて、わが琉球民族を売り渡した、と。
 だからこそ、声なき大衆は直感的に5.15の犯罪式典にソッポを向き、これまで、復帰のチョウチンモチしたハレンチなおしゃべり屋どもには筆をそろえて、この処分を型どおりなじった。だが真因はつかんでいない。
 おまけに、心なき雨までが、ひときわごう音をたてて泣き続けた。声なき大衆の1人は、人民のうらみに同情して泣き出したと形容した。
 この悲嘆にとぎれた暗黒のなかで、行政府ビルを見て、次のように詠んだ。

   アワレ! 忠犬沖縄犬!
 魂なき虫ケラどもが蟠踞っていたドンガラ、その名を琉球政府−−またの名をジー・アール・アイという。
 滅ぶべくして亡びた琉球政府−−ジー・アール・アイ、だが全く亡びたわけではない。
 黒幕が看板をとりかえさせ、高級妾に支配を委ねただけのこと。
 ……………………歴史は教える、人民の発意なき政府は、人民を売り渡すものなるを!
 1879年まではまだ魂が残っていた。
 だが、1972年にはほとんど消えていた。
 恥ずべきメカケという地位とひきかえに現ナマを求めてわが民族を売り渡した。
 そして恥しらずにも「犬」と名乗り出た。
 名は体をあらわす。高級妾の番犬として。そのくせ、あつかましくも、人民に向って「反戦自治」を説く。
 しかも、このいまわしいドンガラに蟠踞して。

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