野底土南 5/23

旧立法院−−その一部は邪蛮政府の下僕となり、あるいは沖縄犬庁に、他は沖縄犬議会に蟠踞してこの一大破局に直面しても、あつかましくも、なお、人民の上に君臨して、ハカない延命もしくは動物的生存を続けようとする。そしてその言い草は、おきまりの「他政党または東京政府のせい」だ。ここには、オノレの責任など、みじんもないとするかのように。
 このことは、すでに予見されたことだし、私が68年の主席選挙でも訴えたし、昨年10月には「どうすれば通貨不安は解消できるか」というパンフレット(1972年現在、今でも各書店で販売している)で具体策を示してある。また昨年6月の参院選挙でも訴えたことはテレビ視聴者や立会演説会に出席された方は記憶しておられるはずだ。
 これほど、人民多数の生活と経済を破綻させた元凶(手前ばかりはヌクヌクと360円の読換を得ていた)が、その失政を省みず、なおも、自称「犬知事」「部長」「犬議員」として居座りを続けているこのザマーー
 あるテレビのインタビューで、さる婦人が、顔をひきつらせて、「暴動でも起こしたい」と憤激したあのやるかたない怒り……
 この悪漢どもにとっては、住民の福祉など始めからどうでもよいのだ! コイツラの一番の感心事は、現在の地位だけだ!
 だから何年も前から選挙のことにウツツをぬかしていたのだ。
 思い出せ! 一昨年末からコイツラが71年10月に終了する任期の延長のため、どんなに卑劣なことをしたかを!
 偉大なる琉球独立党は昨年6月、立法院と行政府を訪ね、「返還協定案」が住民の意志にそうものであるか否かを確めるため、早期に退陣して、主席立法院議員選挙を行ない、これを通じて、「返還協定案」に対する事実上の住民投票を為すべしと要請したのであるが、コイツラは、こともあろうに、主権者たる住民にはかることなく、米日両政府に衰訴して、任期の延長をたくらんだ。その大義名分は「復帰準備」=売国準備ともっともらしい口実だった。
 返還協定粉砕を叫ぶ革新三派及びこれに追随する「革新」の人々が、何故にそれを貫徹できなかったか?、答はいまや明らかだ。
 事実は、オノレが琉球処分=売国の加担者でないことを人民に印象づけるためのタンなる茶番劇に過ぎなかったのだ! 彼らがその気なら、屋良を退陣させ、選挙に訴えるか、さもなければ彼を強制して超法規の住民投票(返還協定案に対する有権者の賛否(○×式)の投票)を公選法に準じて実行させることもできた。わが党は正式に、後者の実現のため、各党、労組、学校等にも要請した。

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