討議資料

琉球新報2012年9月26日

基地問題解決の鍵は「独立」 大城喜信

 9月9日にオスプレイ配備阻止の県民大会が開催された。30度を超える炎天の下で10万人以上の老若男女が結集した歴史的にも意義のある大会となった。

 私は体調不良のため、直接会場に行くことができなかったので、仏壇にお茶と線香を供えて先祖のみ霊に大会の成功とウチナーンチュの願いがかなうように見守って下さいとお願いした。

 本大会で決議されたウチナーンチュの意志の要請に対し、日米両政府の関係者は、オスプレイを計画通りに配備してウチナーンチュの命と暮らしを侵害する意志を明確にしている。政府というものは、国民を平等に扱い命と自由および安全に暮らす権利を守ることを最大の任務とするために設置されたものであ る。しかしながら、わが国においては、明治政府の設置以来100年以上にわたってウチナーンチュを差別し、生命、自由、安全な暮らしの権利を奪い続けてきた。この人権侵害は、今後も半永久的に 継続される恐れがある。

 このような権力の乱用によるウチナーンチュの人権侵害を打破するよりどころ となるものがアメリ力の独立宣言である。この宣言は、イギリスの植民地支配から独立した時のアメリカ人民のよりどころとなったものであり、
新しい共和国建設の礎となったものである。その導入部分には共和国建設の理念が明記されているといわれている。その理念は次のように要約される。

 「すべての人間は生まれながらにして平等であり、誰も奪うことができない生命、自由、幸福追求などの権利が創造主から与えられている。これらの権利を確実に確保するために人々のあいだに政府が設立されるものであって、政府の権力は統治される人々の同意にもとづいて行使されるべきものである。いかなる形態の政府であれ、その権力を乱用して統治される人々のこれらの権利を無視し奪うことがあれば、人々にはそうした政府をいつでも改廃してこれらの権利を守ることのできる新しい政府を設置する権利と義務がある」

 この宣言は、1770年代に起草されたものであるが、日本政府によるウチナーンチュの人権侵害の的を射ている事例が明記されている。ウチナーンチュは、これまでの経験から命と安全な暮らしを守るため、引き続き県民大会などの運動を展開しつつ、新たな視点からこれらの米軍基地から派生する多くの問題を根本的に解決するための手法をとらなければならないことに気づき始めている。

日本人と日本政府がウチナーンチュの人権を守らないことが判明した今日、ウチナーンチュは、自分の命は自分で守るために新しい政府を設置する権利を行使して、沖縄独立を考える時期に差し掛かっているような気がする。
 (南風原町、72歳)

基地問題解決の鍵は「独立」

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