琉球独立論研究資料


週刊文春2016年6月30日号
CATCH UP 

琉球独立の旗まではためいた「オール沖縄」県民大会に集いし人々
2016年6月19日(日) 那覇市の奥武山(おうのやま)陸上競技場

 会場をぎっしりと埋め尽くす人々が手にするプラカードには「海兵隊は撤退を」、裏返すと「怒りは限界を超えた」と大書されている。かれらは号令に従ってそれを高く掲げ、シュプレヒコールを上げるのだった。

 六月十九日、沖縄県那覇市の奥武山(おうのやま)公園陸上競技場。主催者発表では六万五千人、一部報道では三万人弱の“県民”が集まっていた。五月に起きた、元海兵隊員の男によるうるま市の強姦殺人事件。その被害者である女性会社員を追悼し、米海兵隊を糾弾する集会が開かれたのだ。

 主催者は「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」。「オール沖縄」といえば、翁長雄志沖縄県知事(65)を中心とした政治勢力だ。「イデオロギーよりアイデンティティ」という翁長氏のスローガンのもと結成された、保革一体のゆるやかな枠組みと目されている。

 しかしこの日の会場で見かけたのは、革新色の強いメッセージばかり。名桜大学四年生で「SEALDs RYUKYU」メンバーの玉城愛氏(21)も女性被害者に哀悼の意を示しつつ、安倍晋三首相と本土の日本国民を名指しし「今回の事件の『第二の加害者』はあなたたちだ」と涙ながらに訴えた。

 「『自治労連』や『全国革新懇』などの幟(のぼり)が立つのはいつものこと。琉球独立を掲げる『かりゆしクラブ』もデカい旗を振っとった。中核派の機関紙『前進』と革マル派の『解放』が同じ会場で配られとるのは初めて見たな」(宮嶋茂樹カメラマン)

 「在沖米海兵隊の撤退」などの決議を採択して、会は終了。しかし自民や公明、維新は参加しておらず、早くも「超党派での開催ではない」という批判や疑問の声が相次いでいる。

 悲劇の追悼の場ではあるが、一方で沖縄の深刻な政治的対立を浮き彫りにした今回の大会。参院選に向けて、島はますます熱くなる

(撮影 宮嶋茂樹)

様々な団体が参加する中、琉球民族派の団体「かりゆしクラブ」は"琉球独立論"を唱え、大きな旗を振っていた。     この日の最高気温は32.6度。翁長知事も帽子を被り汗を拭う。


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