討議資料

沖縄タイムス 2016年11月17日

琉球独立論 違和感あり 基地問題解決へ国と対話を

 本紙の読者投稿欄に、沖縄の先住民族に関することや、自己決定権、ひいては琉球独立を示唆するような論があること、またこれらに関する書物が目に付くことに県民の一人として違和感を覚える。

 思い起こせば今年の夏は、リオデジャネイロオリンピックで盛り上がった。特に沖縄から日本代表として出場した重量挙げの糸数陽一選手は、見事4位に入賞を果たし県民に感動を与えた。メディアも1面トップで伝えた。

 また沖縄の子供たちが、県代表として高校野球、高校総体等また文化等で日本一を目指し、日本人として頑張っている。どうして先住民族やら琉球独立というような話ができるのだろうか。同じ県民として、彼らに「君たちは先住民族、琉球国代表なのだよ」と言うのだろうか。

 沖縄は一年を通じても、正月行事(お年玉など)、ひな祭り、端午の節句、七五三祝い等、日本の文化、伝統を共有している。沖縄は日本国、日本人である。

 琉球独立ということは、米軍基地、自衛隊全てを撤去し、非武装を唱えることでもある。資源も、防衛力も財力もない、人材も技術も乏しい中、143万余の県民がどうやって生存していくのか。世界の現状、弱小国はどこかの強大国(自由な国か、共産国か)にすがる道しかない。

 2020年東京オリンピックの種目に空手が正式採用され、県は地元での開催誘致を立ち上げた。喜ばしいことだ。また各競技の県内各地での合宿を要望、また次年度の振興予算増要求、特例措置法延長(酒税、ガソリン税等)、鉄軌道導入等、政府に嘆願している。沖縄が独立するとなればこれら沖縄の将来施策はどうなるか自明の理である。

 沖縄での空手競技開催誘致一つにしても、観光客を含め、観客等の増加も予想されるだろう。普天間基地の辺野古移設も考慮し、普天間基地と併せて返還される嘉手納以南の米軍基地の跡地を選手等の受け入れ(トレーニング等)施設また道路拡張等のインフラ整備が必要と考える。

 最後に基地問題で平行線をたどっているようでは何も解決しない。中国の脅威(尖閣侵入等)、北朝鮮の核開発で日本、沖縄を取り巻く環境が激変している中、米軍基地の負担軽減(整理縮小)を図りつつ、抑止力を堅持し、併せて日本政府との対話を重視しなければ、東京オリンピックどころではない。独立の話など愚行であり若者、子供たちの夢を壊さないでもらいたい。
(那覇市、会社員、59歳)

琉球独立論 違和感あり

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