討議資料

琉球新報2015年11月26日 論壇

11月26日を「沖縄差別の日」に 石破氏と5国会議員の衝撃 比嘉康文

 きょう11月26日を「沖縄差別の日」とすることを提案したい。ある先輩の家に行くと、目立つところに一昨年の2013年11月26日の本紙一面の新聞が貼られている。その紙面には沖縄県選出・出身の自民党国会議員5人が並べられ、当時の石破茂自民党幹事長から辺野古移設の容認を迫る圧力を受け、それに屈し公約の「県外移設」を翻し容認に転じたことが報道されている。

その大きな写真と記事に接した時、ショックを受けた県民は多かっただろう。一人でも離党して公約を守り切る者がいなかったことを小生は情けなく思った。この紙面は明治政府による琉球処分から続く沖縄差別を「目に見える形」で示したもので、象徴的な写真と記事である。 今後の沖縄関係の書物には必ず収録され、永遠に語り継がれることだろう。

一昨年のこの事件は、いわゆる「人類館事件」を想起させた。1903(明治36)年3月、大阪で開かれた明治政府主催の第5回内国勧業博覧会で、「学術人類館」と称し、かやぶき小屋の中に琉球女性が見せ物として展示された事件である。その現代版とも言え、展示された女性が国会議員に入れ替わった、との見方もできる。

5人の国会議員は選挙では「反辺野古新基地」の公約を掲げて当選したにもかかわらず、それを反故(ほご)にした。怒りを覚えた県民も多いだろう。この紙面は名護市辺野古の電柱にも貼られており、前知事の仲井真弘多氏の埋め立て承認と同じく県民の怒りを買っている。

対日講和条約第3条が発効した1952年4月28日を「屈辱の日」としている。それに倣い11月26日を「沖縄差別の日」に設定すべきと考える。沖縄問題の全ては日本政府による差別に起因しているからであり、そのことを子孫に伝えていくにも必要だからだ。以上はその先輩との議論で達した結論である。

先輩はさらに、その日は「琉球独立」「沖縄独立」の旗や幟(のぼり)で普天間基地を包囲するというアイデアも提示し、興味深く聞いた。海外メディアに取材してもらえば沖縄問題を全世界に発信できる。

今回、石井啓一国土交通相が翁長雄志知事を裁判に訴えたことも「沖縄差別」が根底にある。他府県では「地方自治の尊重」を言う日本政府だが、沖縄に対しては「安全保障は国の専権事項」と主張し、米軍基地を押し付けている。まさに二重基準であるが、その根底には沖縄差別が歴然としてある。

わが先輩は新聞記事をコピーして来訪者にプレゼントしている。小生もそのコピーを部屋に貼ってある。

(宜野湾市、73歳)

比嘉康文

 かりゆしクラブからお願い
  この比嘉康文さんの意見に反論なさりたい方は、本名、電話、住所をぜひ書かれて下さい。比嘉さんは選挙のチラシでも自分が作ったものには氏名、電話番号、住所を明記される方です。本人が確認できない意見は幽霊のことばであり、信用できないという考えの方です。以上

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