討議資料

琉球新報2014年8月22日 論壇

米国法に従い辺野古中止を 在沖米総領事に告ぐ 比嘉康文

 やはり「沖縄はごみ捨て場か」。この言葉を最近読んだのは右翼の理論誌といわれる『月刊日本』(2012年9月号)である。埼玉大学講師で文芸評論家の山崎行太郎氏は、その墜落事故の原因を明らかにしないまま沖縄にオスプレイを配備することに怒って「沖縄はごみ捨て場か」と書いている。沖縄守備隊だった父親から沖縄戦や沖縄のことを聞いて育った山崎氏は、日米政府や識者といわれる人々の沖縄に対する理不尽な言動や行為に怒りの声を上げている。集団自決問題では作家の曽野綾子氏らの誤読を指摘し、右派論壇の劣化を指摘した。曽野氏には著書の絶版、絶筆を迫った。
 アルフレッド・マグルピー米国総領事が「沖縄は国に従え」「反対者は理性を欠く」と述べたという本紙の記事を読み、小生は『<日本人>の境界』の中の言葉を思い出した。戦前の沖縄は「地方官の塵溜」で、戦後は「米国陸軍の才能のない者や除者の態のよい掃きだめになっていた」という記述である。
 辺野古の海域には世界の保護種ジュゴンが生息している。その貴重種を守ることは人類の責務だ。生物多様性や自然保護の取決めを読めば誰でも分かる。
貴国ではレイチェル・カーソン女史の『沈黙の春』以後、「種の保存法」が制定された。その後、何回も改正が加えられ、種の保護が一層強化された。現在、真喜志好一氏らがサンフランシスコ連邦地裁に提訴している「国家歴史遺産保護法」も、その流れをくむものだ。
「種の保存法」が沖縄で最初に適用されたのが国頭山地の在沖米海兵隊の実弾砲撃演習場である。貴国の威信をかけたベトナム戦争の真っ最中の1970年12月23日、カシマタヤマに建設された演習場が発覚、島ぐるみの撤去闘争が展開された。だが、その放棄の理由は世界的な珍鳥ノグチゲラの保護だった。
それは何も特異な事例ではない。1978年6月15日、貴国の最高裁は体長7𠀋のスネールダーターという淡水魚を救うため、一億ドルをかけたテネシー州リトルテネシー川に建設中のダム工事を中止させた。そのような事例は貴国には多い。貴国で守れる種の保護がなぜ沖縄では守れないのか。その理由を教えて下さい。
 今回、貴殿の「沖縄は国に従え」「反対者は理性を欠く」という言葉は、沖縄県民にではなく、貴殿にこそ当てはまる言葉である。貴殿は理性を欠くことなく、貴国の「種の保存法」や「国家歴史遺産保護法」に従い、辺野古海域の工事中止を安倍首相に迫って下さい。
(宜野湾市、無職)

比嘉康文

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