【in東京イベント 終了】 627
語やびら「琉球独立論」 竹中労と琉球独立党の伝説〈1〉
会場:NAKED LOFT  新宿区百人町1-5-1百人町ビル1階 (西武新宿駅北口1分 / JR新宿東口10分) 日時:6月27日(月)OPEN 19:00 / START 19:30
TEL 03-3205-1556 http://www.loft-prj.co.jp/naked/  料金:前売¥1800 当日¥2000(飲食代別)
出演:すが秀実(評論家)/府川充男(印刷歴史研究家)/屋良朝助(琉球独立党党首)/他
1972年、沖縄の「祖国」復帰に反対を唱え、「琉球独立」の旗を掲げたウチナーンチュがいた。琉球独立党初代党首・野底土南(ぬか・どなん)である。一方、「沖縄、ニッポンではない」と主張したルポライター・竹中労は、ヤマトンチューとして琉球独立党と一味同心した。沖縄の「祖国」復帰は正しかったのか? 今も日米軍事同盟の耐えがたい犠牲を強いられる沖縄は、日本から独立すべきではないのか? 理不尽な米軍再編の渦中で、今ここから「琉球独立論」を語ろう。

会場には右翼も左翼もそうで無い人も、マサイ族、中国の踊子も・・・・大入りでした。






左:すが秀実氏





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6・27東京 新宿ネイキッド・ロフト 琉球独立党が政治集会
どっこい琉球独立党は生きている

写真:2代目党首の屋良朝助氏(右)とすが秀実氏(左)

 6月27日、新宿ネイキッド・ロフトで琉球独立党の政治集会が開催された。

 かつて琉球独立党という政党があった。いや、「あった」では決してなく、あり続けていると言うのがあくまで正しい。1967年、初代党首・野底土南(本名武彦)氏を中心に結成され、沖縄の保守・革新のいずれもが自明の前提とした「祖国復帰」への大波に抗して、「琉球独立・琉球共和国建国」を真っ向から掲げ闘い続けた。17世紀のヴェストファーレン(ウェストファリア)条約によりヨーロッパ全域が30年戦争の泥沼を脱して近代国民国家(ネイション・ステイツ)というシステムの下に再編され、国際法と政教分離の原則が確立されて以来のロジックそのものに立って、公認会計士・野底土南氏は断固たる論理の正規戦すなわち「空中戦」を挑んだのだった。

 1968年11月、野底氏は米軍政下の初の行政主席選挙に立候補、279票を獲得。また、1971年、国政参加選挙(参議院)には今度は崎間敏勝氏が琉球独立党代表候補として立候補、2673票を獲得した。いずれも名誉の敗北である。野底氏の子育てが多忙となったことにより、これより独立党は選挙戦を封印。1978年の沖縄交通左右変更反対闘争を最後に活動休眠状態となり、数少ない活動家も沖縄諸島と日本の各地に離散した。

 60年代末、沖縄を訪れたジャーナリスト故竹中労は初代党首と肝胆相照らす仲となり、沖縄と島唄について数多くのルポルタージュを書いている。

 竹中労が『琉球共和国』(ちくま文庫)で「容貌魁偉」と記した顎ヒゲこそ真っ白になったものの、野底氏はいまも元気で暮らしている。また野底邸では60年代末より琉球共和国の国土として、琉球共和国「三星天洋」旗を掲げている。焼き物作家である第一期独立党活動家名護宏明氏宅は、70年代後半に独立国「琉球文化村」であることを宣言して今日に至る。

 77年9月末に行われたその開村式には知名定男、大工哲弘、照屋林賢、喜納昌吉ら、そうそうたる沖縄の島唄の歌い手ばかりか、加藤登紀子、長谷川きよしら日本のミュージシャン、また『同時代音楽』などのラディカルな音楽ジャーナリストたち数人、総勢数十名が参集した。第1期独立党で一番年下の活動家であった屋良朝助氏(54歳)は、今はヤマトで在日ウチナーンチュとして会社を経営している。

 今年11月には沖縄知事選挙が行われるが、昨年、屋良氏は沖縄に飛んで初代党首に面会、三星天洋旗使用と2代目党首への就任を許された。沖縄の「鎮魂の日」である6月23日には第2期独立党の宣伝隊員が、最も先島の与那国島で行動開始。ビラをまきながら北上した彼らは石垣から本島に戻り、予定の行動を終えた。

 そうした流れの中で6月27日夕刻、新宿職安通りの「ネイキッド・ロフト」で、第2期琉球独立党の第1回政治集会が2時間にわたり開かれたのである。発言者は屋良氏と独立党埼玉県支部長に就任した近畿大学教授・すが秀実氏。文章朗読は、竹中労と同じくスキンヘッドの雑誌ライター、國貞陽一氏(「独立党からも独立した琉球独立工作隊」)がつとめた。

 「本物の独立党が再び出現した」との情報はインターネットを中心に流れ、60人で「満員」となるネイキッド・ロフトだが、初回から70数人の超満員となった。次回の政治集会は7月31日にやはり同じネイキッド・ロフトで行われる。

 なお7月18日には沖縄県庁記者クラブで独立党候補者・屋良朝助氏の記者会見がセッティングされている。
(府川充男)